住宅専門紙「新建ハウジング」の発行人(社長)が、
住宅ビジネスのヒント・トピックをつづります。


2007年01月12日

技術・人・経営が工務店の原点

新建ハウジングの新年号のトップにこんな文章を書きました。ここにある通り、今年は工務店ならではの「技術経営」(ものづくり経営)、そして職人を含めた人の育て方・生かし方について考えていきたいと思っています。



原点回帰
技術・人・経営が工務店の原点



2006年は構造強度偽装事件やパロマ工業の中毒事件など、企業そしてつくり手としての社会的責任と本質を問われた1年だった。

それを受けて本紙では、2007年を「原点回帰」の1年と位置づけたい。


工務店の原点とは何か。

そのひとつは「技術」であろう。


では「技術」とはなにか。

辞書をひくと「物事を巧みにしとげるわざ。技芸」「自然に人為を加えて人間の生活に役立てるようにする手段」とある。

工務店が目指すべき技術は、後者の「人間の生活に役立てるようにする手段」だろう。


法隆寺・薬師寺の棟梁で宮大工の西岡常一氏は、祖父から伝えられた口伝のひとつとしてこんな言葉を紹介している。

「住む人の心を離れ住居なし」

そしてこう解説する。

「建築しようという人の心を離れて、建物をつくってはいかんということですな。住む人の心を組み入れたもんじゃないと、家とはいえんとこういうことです」(「木に学べ」小学館から)。

技術を高めるということは、人の生活を知ること、人の心を知ることでもあるということだ。

本紙では今年1年をかけて、技術とその生かし方について、この観点から考えていく。


西岡棟梁が紹介した口伝の中でも特に知られるのは

「木組は木の癖組」
「木の癖組は人の心組」

の二つだろう。

後者について西岡棟梁は「50人の大工がおったら50人の人に、わたしの考えをわかってもらわないかんちゅうことや。これが工人の人組みですわ」と言い、続けて

「工人の心組は工人への思いやり」

という口伝を紹介している。

建物は棟梁1人でつくれるものではない。

思いやりの心を持って工人たちをひとつにまとめていくことが木を組むうえで不可欠だということで、この姿勢はそのまま現代の工務店経営にもスライドできるはずだ。

「技術」と「人」、そして「人」を動かしまとめる「経営」は不可分のものであり、「人」「経営」も工務店の原点のひとつだと考えることができる。


本紙では、「人」「経営」について、特に「技術」の担い手である職人の確保・育成について、また技術を強みする「技術経営(ものづくり経営)」について1年を通じて考えていく。

またこうした原点から考えてみる作業を通じて、工務店とは何か、その価値とは何か、という昨年提起した命題にも答えを出していきたい。

この特集号では、そのイントロダクションとして、技術・人・経営をテーマに読者アンケートを行い、その現状を整理した。


[新建ハウジング1月10日号第1部1面]
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2006年12月09日

読者限定セミナーを開催しました

12月8日に東京・八重洲で、新建ハウジング特別セミナー「2007年 工務店経営のヒント」を開催しました。

定員70人のところ、90人あまりのご参加を頂きました。13時開演で19時終演という長丁場でしたが、4人の講師の鋭く熱い講演に、寝る人退席する人もほとんどなく、熱心にお聞きいただきました。ご参加いただいた読者の皆様、ありがとうござました。そしてお疲れ様でした。

会場で取ったアンケートを簡単に集計しましたが、各講師の講演について「役に立たなかった」との回答は、全講師の合計で5つほどしかなく、まずはご満足いただけたようで安心しています(時間が足りなかった、もっと聞きたかったというご不満は頂きましたが)。頂いたご意見、ご感想も大変参考になりました。感謝です。

セミナーを収録するDVDにもたくさんのご応募をいただきました。ありがとうございます。できるだけ早くお届けしたいと思いますが、しばらくお時間をください。きっとたくさんの「経営のヒント」をお届けできることと思います。


開催してみて実感したのは、紙でこそ伝わることもあれば、話すことで伝わることもある、ということ。生の言葉にはパワーがあるんですね、やっぱり。それが聞き手のインスピレーションやモチベーションを刺激する。元気を与える―。講師を見つめる参加者の皆さんの顔を見ていて、そう思いました。


今回の経験生かして、今後新建ハウジングでは、読者限定のセミナーを定期的に開催していこうと考えています。専門新聞社の強みを生かし、新建ハウジングの連載陣や紹介企業の方はもちろんのこと、様々な職種・立場の人を講師に迎え、実務的なノウハウ、さらには「ニッポンの家づくりを変える」ために必要な考え方をお伝えしていこうと思っています。

(「流派」やネットワークを越えていろんな人の話が聞けて交流できるのが、新聞社ならでは、のひとつだと思っています。また工務店さんにもどんどん講師になっていただきたいと考えています)

詳細につきましては、今後紙面やWEBで伝えていきます。ご期待ください。また今回のセミナーについても、このブログや紙面でその断片を書いていきたいと思います。
posted by miura at 22:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 新建ハウジング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月10日

変えよう!ニッポンの家づくり

新建ハウジングのタブロイド版・「プラス1」、そしてWEBを、4月10日からプチリニューアルしました。いくつか新コーナー・新連載をスタートしたほか、「住宅ビジネス紙」としてのコンセプトを明確化しました。


そのなかでテーマとして掲げているのは、「変えよう!ニッポンの家づくり」だ。これは、昨年4月に編集長になったときから掲げてきたテーマだが、「何を、どう変えるのか」をもっと具体的に、わかりやすく紙面で伝えていきたい―。それが今回のリニューアルの目的のひとつだった。
 
具体的にはこれから、つくり手の皆さんに、「まず」以下の5つを「変えよう」という提案をしていく。

1 ビジネスモデルを変えよう
2 「エコ」を当たり前に
3 ストックビジネスを仕事にしよう
4 工務店こそマーケティングを
5 デザインを変えよう

「変えよう!ニッポンの家づくり」というテーマは、大上段で、読者のニーズや気持ちからは少し「遠い」ような感じもするが、「いま」変えないといけないな、と本気で思っている。

ひとつは、工務店をとりまく環境が、すごい速さで「変化」しているから、だ。その変化に対応して、自らを変えていかなければ、それこそ「生き残る」ことすら難しい。上記の5つのポイントは、その中で工務店がまず取り組むべき、そして変えていくべき本質的ポイントだと考えている。

もうひとつは、住み手のために、だ。住み手とつくり手の間にはまだまだギャップがある。また、ニッポンの家と家づくりには、まだまだ不合理な点、カイゼン・イノベーション(革新)できる点がある。つくり手が変わることで、そのギャップを埋め、カイゼン・イノベーションしていくことができれば、住み手はもっと「いい家」を、「適正」な価格と方法で手に入れることができるはず。もっと豊かで楽しい暮らしを実現できるはず―。そう考えている。

ニッポンの家と家づくりが変わることで、つくり手と住み手双方が、あいまいな言い方だが「幸せ」になれば。そのお手伝いをすることが、新建ハウジングにできる社会貢献であり、その実現がスタッフの自己実現につながる、と思っている。


こうしたことをただお題目として唱えていても意味がありません。そこで新建ハウジングでは、こうした想いを「背骨」として持ちながら、「変わる」ための具体的な手法とノウハウ、事例を、ビジネス紙の視点と切り口で、読者の皆さんのビジネスに直結するようなかたちでお届けしていきます。

今後もご愛読をのほど、よろしくお願い致します。
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2006年03月14日

基本から見直す

記者の仕事の一番の基本は「確認」であり、そこがおろそかな記事はいかに「いいこと」が書いてあっても意味がない。そして記者にその基本を徹底させ、さらに記者の穴を「確認」することが編集者の仕事の基本だ。

だが最近、この基本から再構築する必要がありそうだ、と感じるできごとがいくつか続いている。記事の誤りに加えて、あれもこれも、と。そして今日もまた。取材先の方にご迷惑をおかけし、信頼もゼロ以下にまで下がってしまった。本当に申し訳ない。そして情けない。

だが、自分個人としても、振り返ってみたら、おろそかにしていることがいくつもあった。まず基本をしっかり。当たり前のことを当たり前に。そう心に刻んだ1日だった。
posted by miura at 17:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 新建ハウジング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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