住宅専門紙「新建ハウジング」の発行人(社長)が、
住宅ビジネスのヒント・トピックをつづります。


2014年10月15日

木立の中に佇むような建築を

ユニソンさんというメーカーさんのセミナーで建築家の伊礼智さんと造園家の荻野寿也さんと一緒に巡業をしています。今日は大阪ですが、300人ほど参加されたよう。さすが人気のお二人です。

テーマは「家と庭の豊かで楽しい関係」。僕はイントロダクションと行司担当です。

伊礼さんは育った沖縄の原風景から外と内の関係を解き自身の設計に取り入れている、そんなお話。

荻野さんは「日本の原風景を大切にしたい」「木立の中に佇むような建築」が理想、という思いから、庭と建築のいい関係、例えば「かっこよさ」を提案。「木立の中に佇む」。いいですね。共感しますしそんな人がどんどん増えている実感があります。

伊礼さんがよく引用されている「豊かなものは外からやっている」という言葉通り、その活かし方、遮り方はまだまだ可能性があると思いますし、その可能性を設計者と造園家が一緒に追求していけるはずと確信しました。

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2014年10月13日

小屋展示場にみるスペンドシフト

先日Sumikaさんがプロデュースした「小屋展示場」を見に行ってきましたが、改めて「スペンドシフト」=消費やライフスタイルパラダイムシフトが進んでいることを実感しました。


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場所は虎ノ門。空き地に、ハウスメーカーや工務店、建築家、クリエイター、小売業者などなど様々な出展者が、思い思いの小屋を展示。その多くが販売されていました。詳細はこちらから。

スペンドシフトについて一言で説明するのは難しいのですが、より人間らしく、豊かに楽しく、健康的に、素直に正直に生きたい、そのために消費やライフスタイルを見直すということかな、それを小屋、さらにはDIYやリノベ、ブーム兆し「タイニーハウス」なんかが象徴しているのかな、と考えています。

posted by miura at 17:01| 住宅ビジネスのヒント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月29日

住宅取得・リフォーム予定者の6割が「高断熱化は健康にいい」と認知

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新建ハウジング独自調査(対象3年以内に住宅取得・リフォームを検討中の生活者[N=1,034])



新建ハウジングでは毎月のように住宅取得・リフォーム予定の生活者=潜在客・見込み客に向けてアンケート調査を行っています。読者の皆さんの参考にしていただくほか、僕がいろいろ言うときの根拠になっています。

このグラフは2014年6月末に行った潜在客・見込み客1034人アンケートの結果。
聞き方があれですが、「高断熱化は健康にいい」=健康リスクを軽減すると知っていますか?と聞いてみました。
その結果、「よく知っている」は12%と約1割の回答で少なかったですが、「少しは知っている」は47%と約5割で、これらを合計した認知度は約6割。
現時点での認知度としてはそれなりではないでしょうか。

「健康長寿」と高断熱化はこれからの家づくりにおいて重要なキーワード、差別化というよりはすべての住宅で考えるべきことだと考えています(もちろんただ高断熱化すればいいというわけではありませんが)。
この結果は、その理解を得る可能性を示すもので、今後は「よく知っている」層を増やすことで、高断熱化へのコストの理解も得やすくなると思います。

なにしろ、これだけ健康食品にお金を使う国民ですから。その関心とお金をこちらに向けることができれば大きい、そしてそれはできるはず。そう考えています。

詳細は2014年7月末発刊の「住宅白書2014」(有償購読者の皆さんには付録としてお届けします)や新建ハウジング本紙でご紹介します。

posted by miura at 07:08| 住宅ビジネスのヒント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月27日

2025年度の新設住宅着工は62万戸?

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野村総合研究所は2014年7月9日、人口・世帯数の減少や住宅の長寿命化などを背景とする新設住宅着工の長期予測を発表しました。

足下については、2014年度91万戸、2015年度95万戸と予測。その後は反動減でまず85万戸に減少、以降右肩下がりに減少し、2020年度には73万戸前後、2025年度には62万戸前後になるのでは、と。


住宅業界にとっては見たくない予測だと思いますが、僕の考えている数字とかなり重なる予測です。ちなみに僕はもっと中古市場が伸びて(また賃貸派や同居派が増えて)新築市場との食い合いになると考えていて、2020年度あたりで70万戸を割るかも、と見ています。


予測は予測に過ぎませんが、どう受け止めるかです。

僕は、60万戸の新築というのは依然として巨大市場だと思っていて(とくに欧州と比べると)、もちろん顧客と社会に必要とされなくなった企業は退場を迫られるでしょうが、それによって市場の適正化が進めば真摯な住宅関連企業に取っては追い風ですし、縮小市場の中でも上りのエスカレーターはつくれるはず。


また、野村総研では同時にリフォームの市場規模も予測、2025年には6.1兆円でこちらも横ばい・減少するとみています。
僕もほぼ同じ見方ですが、リノベーション(大規模改修)は単体/中古住宅とのセットとともに伸びると見ていますし、膨大な取り替え需要が期待できる市場もいくつもあり、ここでも上りのエスカレーターはつくれると考えています。


確かに何もしなければ縮小する市場に寄り添って下りのエスカレーターに乗ってあとは縮小均衡するだけ。だからといって、もう住宅産業はダメだ、と嘆くのではなく、チャンス=潜在需要を探し、自ら顕在化して上りのエスカレーターをつくり乗ることができれば、まだ成長の余地はあるし、面白くなる。
また、従来型のモデルでも、マーケティングをきちんと行い地力で差別化できれば、きちんと勝ち残れ、残存者利益が見えてくる。


ただし、こうした下りと上りのエスカレータが錯綜する瞬間には、求められるスキルと人材は変わていく。そのままでは企業も、個人も上りのエスタレーターには乗れないし、従来型モデルでも地力が低ければどんどんはじかれていく。そこをどうにかするところにも大きなニーズとチャンスがあると思っています。

posted by miura at 21:28| 住宅ビジネスのヒント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月01日

人間らしい住まい、人間らしい経営〜ミズタホームを見に行きました

2014年5月29日、30日、新建ハウジング主催で熊本のミズタホームさんの視察ツアーを行いました。定員オーバーの大所帯でお邪魔しました。iPhoneの写真であれですが、いくつかシーンを紹介します。

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若い夫婦の家。家とミズタホームに一目惚れしたオーナーさん


お気に入りの場所。壁を向けるのがいい、と

奥様のお気に入りの場所。壁を向けるのがいい、と


モデルハウスとして使っている息子さんの自宅。シンケンの迫社長も参加

モデルハウスとして使っている息子さんの自宅。シンケンの迫社長も参加(中心)


ミズタホームの事務所内の隠れ家

ミズタホームの事務所内の隠れ家


体験宿泊施設「山ぼうしの樹」

古民家をリノベした体験宿泊施設「山ぼうしの樹」


倉庫を隠れ家に

倉庫を隠れ家に


深い軒のある縁側から庭

深い軒のある縁側から庭を


バーもあります。左が水田社長

バーもあります。左が水田社長。バーテンさんも呼んでいただきました


ミズタホームさんにつくっていただいた朝ごはんを思い思いの場所で

ミズタホームさんにつくっていただいた朝ごはんを思い思いの場所で


初日は建物の視察。
その後、写真の「山ぼうしの樹」と名付けた古民家のリノベ施設に希望者のみ宿泊させていただき、その晩はその中に設えたすてきなバーで一献。プロのバーテンさんもお呼び頂きました。

朝は水田さんと社員さん、お仲間総出で、釜で炊いたお米を中心においしい朝ご飯を、たくさんある気持ちのいい居場所で、思い思いに。


ミズタホームさんの建物は全棟水田社長が設計されていますが、プロポーションが格好良くて、またどこか懐かしくて、楽しい居場所がたくさんあって、そして自然と一体となれる。
「人間らしく」暮らせる家だと感じました。


その後、水田さんの講演と質疑応答。僕も解説を担当しました。

水田さんは
1 一目惚れされる建築と人間性
2 必要とされること
3 住み手の利益の最大化
という本質を心がけて仕事をしているとのこと。

そしてこれらに集中するために年間7棟に受注を限定、結果ストレスが減り、心の余裕が生まれた、と。

僕的には、己の美学と精神、そして遊び心を磨き続けてこられた成果が善循環として現れているように感じましたし、「人間らしい」経営だと思いました。

キーワードは「人間らしく、本質志向で」でしょうか。
真似ができるかといえば簡単ではありませんが、地域工務店のひとつの到達点だと感じました。


すばらしい建物、すばらしい時間、すばらしいおもてなし。
他にもたくさんの学びがありましたが、詳しくは新建ハウジングの紙面で。

水田さん、そして皆さんの温かな心と笑顔、そしておもてなしに心が動きました。普通できることでありません。
本当に感謝です。ありがとうございました。
posted by miura at 09:31| 住宅ビジネスのヒント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月25日

障子が好き〜「使っていないとき」のデザイン

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障子が好きです。

ウチとソトのやわらかな境界として最高だと思いますし、光も景色もやわらかく入れてくれます。
写真は自宅の障子ですが、映り込む影もまたおもしろい。

もっとニッポンの家に障子を、もう一度、と思います。


もうひとつ障子が好きなのは、使っていないときも美しい壁面デザインとして機能するところ。

モノは使っていないときのほうが多い。鍋のルクルーゼなんかは使っていないときでもインテリア雑貨として眺めて楽しめる点が人気とのことですが、よくわかります。

その点では、家の中にあるもの、階段や収納、照明などなど、使っていないときの状態や機能をどうデザインするかも重要かなと思っています。
posted by miura at 17:01| 住宅ビジネスのヒント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月17日

ウチとソトとアイダの提案を〜楽しさと心地よさと満足度を高める

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「南与野の家」(出所:すまいの手引き/新建新聞社)
設計:伊礼智設計室、施工:自然と住まい研究所、造園:荻野寿也景観設計



躯体のウチとソトとアイダ(中間領域)に提案の余地があり、楽しさと心地よさと満足度を向上する、そして顧客の質と単価を向上するカギを握る。そんなことを言い続けています。


ウチ=インテリア・家具。
ソト=庭・外構。
アイダ(中間領域)=縁側的空間・中庭。


最近はこの3つまできちんと提案する工務店も出てきています。
社内だけではそのスキルを賄うのはハードルが高いのですが、ウチは家具・雑貨店やデザイナーとのコラボで、ソトは造園家等とのコラボで高いレベルの提案を実現できるはずです。

自社ですべて提案する場合はもちろん、外部とコラボする場合も、土地を決める段階・プランニングの段階から参加してもらうことで、ウチとソトが融合したいい設計になるように思います。


自然と一体になれる中間領域は、一番気持ちがいい場所、五感を刺激される場所、コミュニケーションの場所になります。
先日トークセッションでご一緒した造園家の荻野寿也さんは「原風景に建築が舞い降りてくるような家と庭を」とおっしゃっていて、共感しました。

よく言われますがウチとソトの境界が曖昧なのでが和の建築の特徴です。その伝統をベースに、大胆に現代の縁側を創造する。まだまだ可能性があると思います。


「南与野の家」掲載の「すまいの手引き」最新号

posted by miura at 23:50| 住宅ビジネスのヒント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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