住宅専門紙「新建ハウジング」の発行人(社長)が、
住宅ビジネスのヒント・トピックをつづります。


2010年02月01日

島田紳助にマーケティングを学ぶ

工務店、設計事務所の中には、特に設計事務所の中には、マーケティングに対して嫌悪感をもつ人が少なくありません。確かに、マーケティングを広告宣伝、営業だけと考えると、これらをしなくても顧客を創造できれば理想だと思います。

ただ、広告宣伝・営業はマーケティングの一部に過ぎません。マーケティングの基本は「誰に」「何を」「どうやって」を考えることです。これは経営の根幹に他なりません。


以前から、好き嫌いは別として、芸人の島田紳助のマーケティングセンスに感心していました。たまにテレビでもマーケティング的な発言をしていますし、生き方本的な著書でもマーケティング論を語っています。

たとえば、紳助は、売れない若手芸人に対して、「ターゲティング」をしっかりしろと説きます。自身のコンビ紳助・竜介のターゲットは若い男性層。ここに受けるための笑いを緻密に構築していたそうで、若い女性や高齢者に受ける笑いは一切やらなかった。

また、自分の得意分野だけに絞り込み、ライバルに劣る分野には一切手を出さなかった。

「やらないこと」を明確にして絞り込んでいたわけです。


また、変化対応の重要性や、自身の個性・強み+時流・顧客層のニーズという公式が「売れる」基本であることも述べています。


ただ、芸能界はマーケティング発想だけで「売れる」ほど甘くない。だからこそ、紳助は自身のノウハウを若手に伝えることができる。一人握りの人しか成功できない芸能界に比べ(才能も努力も運も必要です)、ビジネスの世界はまだやりようがあるはずで、徹底的にマーケティングすればどんな企業でも道は拓けると思っています。



自己プロデュース力

自己プロデュース力

  • 作者: 島田 紳助
  • 出版社/メーカー: ワニブックス
  • 発売日: 2009/09/01
  • メディア: 単行本


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2009年11月11日

依頼先を決める際の一住まい手のホンネ

最近、住まい手のヒアリングやアンケート調査ばかりやっています。難しいのは、「たかが」なのだけれど、「されど」という点です。

先日ヒアリングした30代の住まい手夫婦は、工務店のホームページについて、また依頼先の選定についてこんなことをおっしゃていました。

・情報量が少ない工務店のホームページはトップページ以降は見ない
・自分のテイストと合わないと感じたホームページは見ない
・ただしそれは「おしゃれ」かどうかとは違う
・きれいに作りこまれたホームページは「話半分」で見る。事例のページは時間をかけて見るが、竣工直後の写真ばかりではあまり参考にならない。住んでいる写真も見たい
・きれいに作りこまれたホームページはどこも同じに見えるので、見学会や勉強会に行かないと実際はわからない
・このため、売り込まれそうなので本当はあまり行きたくないが、見学会や勉強会にも行く時がある
・とくに実際にその会社で家を建てた建築主の話を聞いたり、実際に住んでいる家とその暮らしぶりを見ると一番良く分かる
・ホームページと実際にギャップがあったところは候補から外す
・ブログも見るが、仲間内の交換日記のようなブログは見ない。人となりが伝わってくるものや、価値観や趣味がわかるものは候補選びの参考になる
・経営内容は気になるが、調査会社などのデータまでは調べない。仕事がどの程度あるかは、ブログなどを読んでいるとある程度わかる
・正直、仕事がない工務店よりも行列ができている工務店に頼みたい。実際行列ができるだけの理由があるように見える
・行列ができている工務店ほど売り込んでこないので、見学会や勉強会にも行きやすい
・クチコミや評判もネットでチェックしてみる。ただ、これも「話半分」で鵜呑みにせず、会った感触や建物に入った感じを重視する
・A工務店の見学会で会った検討中の住まい手とB工務店の見学会でも会う、ということがけっこうある。同じようなレベル・テイストで検討している人がいるのだと思う
・そんな人とは、会えば情報交換はする。メルアドを交換したりまではしない。ただ、匿名のコミュニティーサイトがあれば情報交換はするかも
・いま工務店を探し始めて1年。候補を2社に絞り込み、現在プレゼンを受けている。ただ、いい土地がないので、最終決定は土地を見つけた後に
・相見積もりはとらないつもり。1社に絞り込んで設計契約をする
・自分はわりとじっくり派だと思うが、まわりで工務店で家を建てた人も、契約まで1年くらいはかけていた気がする
・第三者のアドバイスを受けられれば、もう少し早く決められるのかもしれない

わりと標準的なプロセスや感性で参考になるかもですが、一組の夫婦の話に過ぎません。こうしたヒアリングと多数にとるアンケート調査の結果をつきあわせて、仮説を立てていくしかないと思っています。
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2009年11月10日

3年後の見込み客を育てる

ここ数年聞く、検討客が長期化している、という話ですが、最近それが一層顕著になっているようです。

その理由はいろいろでしょうが、ひとつは「どこで建てるか」を迷っているだけでなく、「いつ建てるか」、さらには「そもそも建てるべきか」を迷っているから、ということもあると考えています。

こうした「いつ」「建てるべきか」に迷っている層に対して、「あおる」のではなく的確なアドバイスをするのもつくり手の仕事だと思います。

もうひとつ、こうした層には家を手に入れたことで豊かな暮らしを手に入れることができた顧客の姿をそのまま見せてあげることです。それによって決断がどっちにしろ進むこともあるでしょう。


もうひとつ、今後の見込み客を積極的に「育てる」という手法も検討したらどうかと考えています。「いつ」「建てるべきか」に迷っている層「だけ」を集めて、正しいアドバイスを行って、「結果として」数年後に自社の見込み客になってもらえばいい、という考え方です。

手法としては、たとえば「3年後に理想の家を建てるためのセミナー」の開催や、「3年後に理想の家を建てるためにまず理想の土地を見つけるためのガイドブック」といった小冊子の配布がありますし、考えれば他にもたくさんあるはずです。

どうせ長期化しているなら、早めに集めてしまい、いい家のものさしや正しい情報を伝えを「教育」していこう、ということです。

ただ、大事なのは、接点を維持しながらも「囲いこまない」ということです。「青田刈り」の発想で早めに囲いこんで刈り取ってしまおう、という発想では、アドバイザーとして信頼を勝ち取るのは難しい。他社もハウスメーカーもどんどん見てきてください、でも私たちのアドバイスは間違っていなかったでしょう?というのが基本スタンスだと思います。
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2009年11月05日

感覚で売り、理屈で納得してもらう

「感覚で売り、理屈で納得してもらう」
昔マーケティングを学んでいたとき、先生から叩き込まれた言葉です(おそらくシュガーマンの言葉だったように思います)。

消費者はまず感覚で「欲しい」と思い、理屈で自分を納得させる。だからまず、「この家素敵」「こんな暮らししてみたい」「この人なら信頼できそう」といった感覚を持ってもらい、その後に品質や性能などの理屈で納得してもらうことが大事なのだと思います。

そのためには、いわゆる「コト」の提案、ライフスタイルや物語の提示が必要なのだと思います。

その一方で、なぜ自社で家づくり・リフォームをやっていただくことがメリットになるのか、という見込み客自身を納得させる「論理的理由」を提案する必要があります。

「論理的理由」とは、技術的優位性(品質、性能、機能、デザイン)、コストパフォーマンス、アフター(家守り)、ランニングコストや資産価値などです。

また、理屈で納得してもらうためには実証データやシミュレーション、金額換算による説明が有効でしょう。

いま行列ができている工務店を見ると、この両面のバランスがいい工務店が多い。右脳と左脳のバランスがいいとも言えるかもしれません。とくに感覚訴求の部分で差が付いていて、ここはセンスのいいスタッフ(とくに女性)がいる・いないの差は大きいように思います。
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2009年10月09日

誠実マーケティング

前にも書きましたが、信頼と安心は違う、と考えています。

安心は「何も悪いことはこの会社には起こらないだろう」という期待で、大手や老舗が打ち出せるものです。

信頼は「この会社は悪いことをしないだろうし、何か悪いことが起こっても対応してくれる」という期待で、中小企業はこちらを目指すべきだと思っています(もちろん両方打ち出すことができればそれにこしたことはありませんが)。

信頼してもらうには、まず自社の信条=理念やポリシーを明確に打ち出し、行動をその価値観に一致させることからです。次に、なにがあっても大丈夫だろうと感じてもらえるだけの仕組みを整備し、それも打ち出します。そして信条を裏切らないよう、仕組みにのっとりながら誠実に行動し、顧客に相対し続けます。

その結果構築した信頼が企業にとって最大の基盤となり、その誠実さを目の当たりにしたとき顧客は感動するように思います。うかんでくるイメージは「企業と顧客が握手する」姿です。

そのためにマーケティング面からもできるアプローチがあります。その考え方・姿勢をひとまず「誠実マーケティング」と呼んでみます。

反響率の高さやクロージングの効率性よりも、誠実さを企業の基本姿勢にすえ、住まい手に信頼されること、そして信条や価値観に共鳴してもらった層とだけ契約を結ぶことを、少ない人手とコストで、プライドとプロ意識をもって行うための方法論です。


お誘いいただいている勉強会でお話したり新建ハウジングで書いたりしたうえで皆さんの感想をお聞きしブラッシュアップしていきたいと考えています。
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2009年08月28日

話しかけません、という美容院はないのか。

最近、お店に入って気になるのが、過剰なサービスです。もちろん、真面目に顧客満足を追求した結果なのでしょうが、正直少し鼻に、というケースもありません。とくに言わされてる感、やらされている感が透けるときはそうです。

とくに僕と同年代(団塊ジュニア前後)の人は同じような感覚があるようで、この間話した同年代の方もわかるわかると言っていました。接客(と試着)が面倒くさいということで、服は通販で買うという人も少なくないように思います(僕もそんなところがあります)。

同様の理由で美容院に行きたくない人も。僕なんかは「お客様には話しかけませんが、ご要望は詳細にお聞きし、きっちり仕上げます」とうたった美容院はないかな、と思ったりします。

ほどよい距離間を維持し過剰を廃して肝心な部分のサービス品質を高めきる、ということだと思います。家づくりの世界でも同じだと思います。
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2009年07月06日

工務店のホームページ・ブログのチェックポイント

工務店のホームページ・ブログのチェックポイント

1 目的と目標、戦略と戦術が明確か
2 集めたい「理想の顧客」候補を絞り込み、その行動を促しているか
3 自社の理念・思い・社風を伝えているか、個性と一貫性があるか
4 ニッチな得意分野、モノとしての魅力を伝えているか
5 住まい手が知りたい情報をプロフェッショナルとして提供しているか
6 暮らしの提案・家守り(いえまもり)の提案ができているか
7 OB顧客の声、暮らしぶりを伝えているか
8 OB顧客向けのコンテンツがあるか
9 コミュニケーションの場として機能しているか
10 SEO対策を含め「見てもらうための努力」をしているか


これは新建ハウジングプラスワンにも書いた工務店のホームページ・ブログの現状を確認するためのチェックリストです。すべてを網羅しているわけではなく、これからホームページ・ブログをリフォームしようとしている工務店向けにつくったもので、200社ほどの工務店のホームページ・ブログを分析したものをベースとしています(分析した結果ももどこかに出したいのですが、まとめる時間がありません・・・)。

工務店のホームページ・ブログもいくつかのパターンができてしまい、少し進化が止まっているように思えなくもありません。でも、「コミュニケーションツール」としてまだまだ可能性はあると思っていて、それについて追って書いていきたいと思います。
posted by miura at 12:02| Comment(1) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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