住宅専門紙「新建ハウジング」の発行人(社長)が、
住宅ビジネスのヒント・トピックをつづります。


2014年05月05日

人口減少と人手不足と中古活性化でローコスト住宅はどうなる?

人口減少のリスクがそこここで指摘されるようになってきました。

たとえばこのNHKのルポ。全体の5割に上る896の市町村で、子どもを産む中心的な世代である20代から30代の若年女性の数が、2040年には半分以下になる、と。

詳細は記事でと思いますが、こうした人口減少や高齢化の加速は住宅の需要にも、職人やスタッフ確保などにも影響を与えることは言うまでもありません。

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こうしたことはドラッカー先生が指摘していた「すでに起こった未来」で、僕も、新建ハウジングでもずっと指摘してきました。

すでに起きてはいるけれど、その影響が顕在化するまでには時間がかかる、潜伏している課題が「すでに起こった未来」。とくに人口の変化、なかでも人口構成の変化が経済・社会に大きな影響を与え、企業・組織としてはそれが顕在化するまでのタイムラグにイノベーションと貢献のチャンスがあるとドラッカー先生は指摘しています。

住宅業界でも、タマホームなどのローコストビルダーや一建設グループなどのパワービルダーの成長の理由について、堅実派で土地なしが多い団塊ジュニア世代が住宅取得期=30代に入るという「すでに起こった変化」を先んじてつかまえたから、といった説明が成り立ちます。


この先は、前述のように人口減少+流出が加速。2040年という先の話をしなくても、住宅取得期の30代の世帯数は2010年〜2020年までの間に2割弱減っていく。これも「すでに起こった未来」で、この2割減は薄利多売モデルを取るローコスト系住宅会社には特にきつい。

また、「人手不足倒産」が叫ばれるほど多くの業界で人材確保が難しくなり、人件費も上昇。すでに建築業界では駆け込みに伴って瞬間的不足が起きていますが、今後は構造的な不足が重なり、これもローコスト系住宅会社には特にきつい。

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ローコスト住宅の基礎票を考えると、所得の二極化が進むとみられるなか、住宅市場でもローコストは一定のシェアを維持、さらに増加する可能性も十分あるでしょう。ですが、ここは今後中古住宅との喰い合いになっていく。ここに前述のパイの縮小、人材不足+人件費上昇が重なる。

中古活用と新築提案の切り分け。
つくり方・売り方のイノベーションによる生産性の向上。
人材の内製化と育成。
これらが急務ですが、これらもずっと言われてきた「すでに起こった未来」ですね。

今後ローコスト系住宅会社のなかには、超ローコスト路線を突き進む会社、グレードを高め価格帯も少し引き上げてコスパ勝負でよりマスを狙う会社、戦略が分化していきそうです。
posted by miura at 18:59| 住宅ビジネスのヒント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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