住宅専門紙「新建ハウジング」の発行人(社長)が、
住宅ビジネスのヒント・トピックをつづります。


2010年10月29日

うしろめたい仕事はしない

以前取材した方の言葉で耳に残っているものがあります。最後にぼつりと洩らされた「うしろめたい仕事はもう嫌なんです」。風の便りで、その後その方は勤めていた某大手を退職されたと聞きました。

最近、若手経営者・次世代経営者と話していても、うしろめたい仕事はしたくない、という「良心」を強く感じます。

ただ、ともするとここは経済に負けてしまう部分でもあります。そう考えると、ここは最小の良心のように見えて、最大の良心なのかもしれません。


自分にとって、自社にとって、うしろめたい仕事とはどんな仕事なのか。やりたくない・やらないことはなのか。

ドラッカーは「知りながら害をなすな」と言いました。プロフェッショナルとしてこれは良くないことだと知りながら、経済などに負けて流されてしまう。それではプロフェッショナルとは呼べないよ、真摯さの基本はここにある、と説きました。


どんな仕事をやりたくないのか、やらないのか。表明し、約束し、徹底する。高飛車なようだけれど、こうでもしないと、住宅予算が加速的に低下するなかで、うしろめたくない仕事をするのは難しくなってきているように思います。

また逆に、こうした「態度」を表明することが、人として、企業としての「信頼」につながると思っています。「態度」は「価値観」の表れで、それこそが「アイデンティティー」です。それに好感をもった人が、人を、企業を信頼をする。


自分の態度を表明しない、個性の見えない人に、好感も信頼も感じようがないと思います。印象に残らないのでスルーしてしまう。企業の場合、ここでスルーされると、あとは「安さ」で気を引くしかありません。

モノに対する信頼は、人や企業に対する信頼があって得られるものです(その信頼獲得プロセスを大幅にショートカットできるのが「ブランド」です)。たとえ同じモノでも、人は好感・信頼できる人から買おうとします。


つまりは、アイデンティティーを大事にし、価値観を態度として表明し、約束し、やり抜くことが、それに好感・信頼してくれる価値観が近い顧客を集めることにつながり、うしろめたく仕事ができる、つまりは楽しく仕事ができる。良心と経済を両立できる。

そんなふうに考えています(僕もまだ道半ばですが)。


posted by miura at 09:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 住宅ビジネスのヒント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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