住宅専門紙「新建ハウジング」の発行人(社長)が、
住宅ビジネスのヒント・トピックをつづります。


2009年09月27日

リーダーは半歩前を歩け

姜尚中さんの新刊は「リーダーは半歩先を歩け」。熱烈に支持しているわけでもないのに何となく新刊が出ると買ってしまう書き手の一人です。おそらく同じような読者が少ないことと、ここ数年の新書の新刊はとく「わかりやすく伝える」ことに注力していること、そしてタイトルが上手いことが、最近筆者本がとても売れている一因のように思います。

今回のタイトル「リーダーは半歩先を歩け」もとても上手いと思います。筆者がリーダーシップ論について考えるいちばんのきっかけとなったのは金大中氏との出会いとのこと。実現した金大中氏との対談で一番印象に残った言葉が「私は民衆の半歩先を歩く」で、「現代という難しい時代にふさわしいリーダーシップは、これではないかと、たいへん感心した」とあります。

僕も編集者として、そしてリーダーとして「半歩前」というこの言葉はとても腑に落ちますし、実際企画のタイトルなどでよく使っています。

筆者は「半歩前を歩く」リーダーシップ・リーダーについて、「人びとの状況に応じて、世の中の“文脈”に即して、柔軟に対応していくリーダーシップ」、「周囲とわずかに前後しながら、人びとを引っ張っていくようなリーダー」と書いています。


経営者にとっても読みどころがたくさんある本書ですが、「CEO型は、もうやめる。ビジネス界はやや“先祖がえり”」というパートにあった以下の文章が、日頃から考え書いていることと方向性が同じで共感できましたので抜粋しておきます。

もはや金銭的なモチベーションでは、彼を勇気づけることはできません。「株価が上がったら、君たちのふところも潤うんだよ、退職金も増えるから、将来も安泰だよ」などとは、もう言えません。経営者は、これまでのような金融工学的なマネーゲームでは、企業活動の意味を語れなくなったのです。
こうした風潮にともなって、いま、アメリカのビジネススクールなどでは従来型に代わるテーゼを見つけようと必死になっている気配が見え(中略)こう言いはじめたことだけは確かです。
「なぜ、何のために働くのかという意味づけを、社員にきちんと示せないリーダーは失格である」と。
 たとえば、「いま、ここでこうやって作っている製品が、十年後の豊かな森林を作るのですよ」とか(中略)、そのようなビジョンを、フォロワーが納得できるかたちで示せなければならないのです。

筆者は「そこにはある種の古典的な趣もあって、勤労というものの原点を問う動き」と書いていますが、古典・原点は普遍であり、「何のために働くのか」という普遍的な問いに答えることがリーダーの役割なのだと思います(ドラッカー先生もいつもそのことを説いています)。


リーダーは半歩前を歩け (集英社新書)

リーダーは半歩前を歩け (集英社新書)

  • 作者: 姜尚中
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2009/09/17
  • メディア: 新書



posted by miura at 21:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 読んだ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/128992854

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。