新建ハウジング4月20日号で詳しく報じていますが、タマホームが7月から主力商品を長期優良住宅仕様に切り替えます。当然、温熱環境は次世代省エネレベルになり、耐震性能は等級2となるということで、住宅業界にとっては大きなニュースだと思います。
しかも、構造材の供給やプレカットの体制を見直すことなどでコストダウンを図り、価格は据え置きとします。こう動く可能性もあるな、とは思っていましたが、戦略としては切れています(エコに特化した新商品も投入するとのこと)。CMなども全面的に見直してくるのではないでしょうか。
競争力という点で見ると、工務店もタマホームと競合する、しないに関わらず長期優良住宅対応を考える必要があるでしょう。なぜならすでにタマホームはあの大量宣伝によって住まい手の「ものさし」―基準のひとつになっているからです。
わかりやすい例でいえば、タマホームが長期優良住宅を大量宣伝でアピールしてきたら、それを目にした見込み客は「あなたの会社はこの長期優良住宅法っていうのに対応しているの?」と聞いてくるでしょう。そこで「よくわかりません」「検討させてください」などと言ったら信用を失いかねません。
1 全棟標準で長期優良住宅仕様にして認定も基本的にとる
2 全棟標準で長期優良住宅仕様にするが認定は顧客しだい
3 対応できる体制は整えておき顧客の要望しだいで長期優良住宅仕様とし認定をとる
4 一切対応しない
といった対応策を、6月4日の施行までに決めて見込み客に明確に説明できるようにしておくべきでしょう。「一切対応しない」というのも自社のポリシーやつくっている家が長期優良住宅と合致しないのなら(伝統工法住宅とか)、「あり」でしょう。ただし納得のできる理由が不可欠だと思います。
タマホームと競合する住宅会社(長期優良住宅化によって競合となってしまう会社も出てくるでしょう)は、そのインパクトを考え自社の優位点を見つめなおす必要があります。
ハードの競争は意味がないと言われて久しいですが、こうした新法新制度のスタートに合わせて品質や性能が一気に底上げされるタイミングでは、ハードの競争力について考えざるをえません。周りに置いていかれても良しとするのか、周りと同じレベルにはしておきそれを競争優位とするのをやめるか、さらに品質・性能をブラッシュアップして半歩抜けて競争優位を維持するか―。いろんな方向性があります。
そのうえでソフトの優位性をプラスする。個人的には、なぜ長期優良住宅が必要なのかという「なぜ」と、それが暮らしに、人生にどのような豊かさ、メリットをもたらすのかという「どうなる」を、わかりやすく根拠(システム)と具体性をもって説明できることが、工務店ならではの優位性になるかな、と思っています。あとは経営の持続性(大手だってつぶれますので)と家守りの継続性をどう考えどんな実践をしているかを説明することでしょうか。
住宅会社のもうひとつの方向性は、長期優良住宅法仕様とするかは別として、顧客にとって実は過剰な部分、顧客価値の優先順位が低い部分をごっそりそぎ落として競争優位のコアの部分のみを残し、シンプル×標準化×低価格を徹底して「イノベーションのジレンマ」を起こすことです。これはこれでいろんな余地があると思っています。
2009年04月19日
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タマホームが長期優良住宅対応に!
Excerpt: タマホームの新商品 タマホームから毎月送られてくる「タマちゃん通信」の2009年5月号でちょっと驚いた情報がありましたので、紹介しようと思...
Weblog: マイホームができるまで〜タマホーム〜
Tracked: 2009-05-02 20:22
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ただ町場の工務店も設計事務所との提携などで長期優良住宅の対策が出来てしさえすれば、むしろ原価率40%を切らなくては宣伝広告費をはじめとする営業経費が出せないハウスメーカーよりも長期優良住宅は本来町場の工務店に有利な土俵にし得るものだと感じていますがいかがでしょうか?(原価の差が縮まる方向になります。)
いずれにしても動き出した変化への対応に後手になるのではなく、どうせ動き出したのですから積極的にチャンスと捉えてどんな方策を採るのかがポイントなのでしょう。
基本的にはまったく同感です。基本的に工務店さんに有利な土俵にし得るものだと思います。
そのなかで、工務店さんが強みとしアピールしてきたこと(長持ちとか家守りとか)をハウスメーカーも根拠をもってアピールできるようになる今後は、工務店さんもまじめに長期優良住宅法対策を考えなければいけないぞ、と思っています。
いつもブログ拝見して、その筆力と切り口に脱帽しています。今後ともよろしくお願いいたします。