ロンドン(CNN) 窓辺で日差しを受けるカーテンが、自宅の電源に早変わり――。そんな手軽な発電が、近い将来日常化するかもしれない。米マサチューセッツ州の建築家でマサチューセッツ工科大の教壇にも立つシーラ・ケネディ氏らは現在、「ソーラーカーテン」の実用化に向けて研究を重ねている。
太陽光発電といえば、一般にまず連想されるのは厚みのある硬いソーラーパネル。だが、同氏の企業「ケネディ・アンド・ビオリッチ建築」が提案する素材は、布のように薄く、柔軟性がある。同氏によれば、従来のパネルとほぼ同等の発電機能を持つ一方、「新聞を印刷するのと同じような方法で、環境をほとんど汚さず、安価に生産することができる」という。
カーテンのすそには、充電池が取り付けられていて、ここから大容量の家庭用充電池に接続すれば、そのまま電源として使うことが可能とのこと。地域にもよると思いますが、「民家の屋根にこのカーテンを広げた場合、屋根全体の約1割を覆うほどの面積で、家庭で一日に消費する電力の約7割がまかなえる」とあります。
これから様々なタイプの太陽光・熱の利用システムが出てくるでしょうが、従来の発想にとらわれなければ、まだまだイノベーションの可能性はありそうです。
ケネディー氏は、「既存の電力供給に頼らない生活は、すでに技術的には可能となっている。普及の妨げになっているのは、伝統に縛られた固定観念。それを覆すためにも、ソーラーカーテンは非常に良い出発点になるはず」と話している。