住宅専門紙「新建ハウジング」の発行人(社長)が、
住宅ビジネスのヒント・トピックをつづります。


2014年05月01日

2013年度の住宅着工は98.7万戸、14年度は?

国土交通省が2013年度の新設住宅着工を発表しました。全体は10.6%増の98.7万戸。


2013年度住宅着工


持ち家(新築注文住宅)は前年度比11.5%増の約35万戸。僕も「住宅産業大予測」の2013、2014で35万戸と予測していましたが、ここは読みどおりに。
貸家は35万戸と読んでいましたが、実際はもっと伸びて15.3%増の約37万戸。分譲は3.8%増の約26万戸でした。持家、そして貸家が着工を牽引したことがわかります。


2014年度はどうか。先日建設経済研究所が4月時点の予測を発表しました。

建設経済研究所予測


全体は8.2%減の90.7万戸、持家は14.4%減の30.4万戸と予測しています。
僕は全体86万戸、持家は11%減の31万戸ぐらいかなと思っていますが。そうなると1割増えて1割減る、要は元に戻るだけということになります。


持家の現状は、たとえば積水ハウスで前年同月比30%前後戸建ての受注が減少するなどハウスメーカーも受注に苦戦。工務店もコスパ戦略をとっているところは好調の声も聞きますが、集客はあるものの、昨年10月以降受注に苦戦している傾向が見えます。

ローン減税や住宅ローン減税の恩恵を利用して今年建てると決めている層はすでに相当数いる。でも急ぐ理由がない。消費税が10%にアップするか不透明な現状ではなおさらです。
これが、集客はあるけれど受注に至らない一因でしょう。

このままでは、消費増税決定後にまた駆け込みが起きてしまう。それは顧客にも不利益となります。住宅ローン金利の動向を睨みながら、あおらないように背中を押して着工を平準化する(受注残が薄くなるタイミングで新規受注の着工がつながっていけば理想ですね)。

工務店の場合、ダラダラが続きかねない今年は、顧客に正しい建てどきを伝えながら受注と着工をスケジューリングしていくことが必要だと感じています。また青田刈りを急ぐハウスメーカーへの対応策も必要でしょう。



posted by miura at 08:31| 住宅ビジネスのヒント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

雑感、予算編成と政府の再建に関するドラッカーの視点

[2010年のブログの再掲です。状況はまったく同じだと思います]

ドラッカー先生は、国の予算編成についてこう述べています。

最悪の事態として、国家はばらまき国家となった。予算編成が歳出からスタートするならば、徴税に節度がなくなる。歳出は、政治家が票を買う手段となる。

(中略)ばらまき国家は自由社会の基盤を侵食する。国民の金で票を買うことは、市民性の概念の否定である。事実、そのように見られている。
[出所「ポスト資本主義世界」]

ケインズ的福祉国家の理論が正しければ、国家が金で困るはずはなかった。歳出が経済を刺激し、資本形成と税収は急上昇したはずだった。そのうえ、瞬く間に巨額の財政黒字が実現したはずだった。

(前略)景気刺激のための政策が効果をあげた例はない。政府による景気刺激策は、景気の循環的な回復過程と一致したときのみ成果をあげる。そのような偶然は稀である。偶然の一致をもたらすための政策は、存在しない。
[出所「未来への決断]



また、政府の再建については、統治と実行の分離が必要だと説いたうえで、以下のように述べています。

実施、活動、成果という実行にかかわる部分は、政府以外の組織が行う(後略)。この原則は再民間化と呼ぶことができる。

再民間化とは、政府の力を弱めることではない。再民間化の目的は、病気で力をなくした政府に、能力と力を回復させることである。
[出所「断絶の時代」]

いずれも今の日本の現状を言い当てているような気がしますが、それはドラッカーが歴史を観察してきたからでしょう。ドラッカーは自らを経済学者ではなく社会生態学者と位置付けていましたが、経済学者の観点ではなく、観察者の視点でものを見て、とらえていたからこそ、普遍的な原則を見いだせたように思います。


ドラッカー名著集7 断絶の時代

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posted by miura at 07:00| 日々雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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